雲竜紙
家族の事を書けば作家になれる
某女流作家がこんなことを言っていました。
とんな人でも自分の家族をモデルにすれば
一編は小説が書けるらしいです。
とはいう物のどこまで盛るかは
腕次第。
子供の頃はティッシュが無かった
そこいら辺の葉っぱで
鼻をかんで・・・・なわけではない。
今でこそティッシュペーパーなんて
こじゃれた名前で呼んでいますが
私が子供の頃は
ちりがみ(orちりし)って言っていました。
どんな形状か全く覚えていませんが
広げたままの形で
ビニール袋?に入っていたかな。
それを2枚ずつ重ねて
4つ折りにしたものを
何組か重ねて
ポケットやカバンに入れていました。
うちは父だけ晩酌用の一品が付いたり
父だけ松茸土瓶蒸しが出るような
父親至上主義の家庭だったので
父のちり紙はトップ画像のような
ちょっといいやつでした。
今の様な箱入りのティッシュが
売られるようになったのは1963年です。
一般的な普及はいつからなのかわかりませんが
ポケットティッシュが発売されたのが
1968年だそうです。
これがほんとのポケットティッシュ
ポケットにティッシュを入れたまま洗濯すると
大変なことになります。
デニムのポケットみたいに
ぴったりした物なら
そのまま中におさまっていますが
母は使ったものか使うためにか
エプロンのポケットに
よくちり紙を入れていました。
あとで捨てようとか
あとで使おうとか思って
忘れちゃうんでしょうね。
エプロンのポケットからこぼれ出て
洗濯機の中は例えて言うなら
紙漉きのこんな感じ
(ここまでは多くない)
これ取るの大変なんです。
ポケットが無いから
母の衣類の袖口から
小さくたたんだティッシュがポロリ。
母は民間の介護付き老人ホームに
入居しています。
朝食の時間は私たちは行けないので
スタッフが食堂に連れて行ってくれます。
車椅子ですがご飯は自分で
食べられます。
テーブルの上には
ティッシュが箱ごと置いてあって
誰でも使えるようになっています。
そこから何枚かを取って
ポケットが無いから袖口の中に
仕舞っています。
でもそこから取り出して
使っているところを見たことが無い。
一見用意周到なようですが
なんだかな~!
着替える時とか
カーディガンを脱いだりすると
ぽろぽろ落ちてきます。
テーブルの上に有るのだから
使う時に取ればいいじゃん!
ベッドの枕元には
ティッシュケースに入れた、
箱入りのティッシュが置いてあります。
枕にくっつけてあるから
手を伸ばせばすぐ取れるのに
そこから2~3枚取り出して
4つ折りにして枕の下に突っ込みます。
枕を動かすとわんさか出てきます。
母曰く、すぐ取れるように。
ボックスのままの方が
明かに取りやすいのにね。
僕ドラえもん
ドラえもんの四次元ポケットは
何かを入れるためのものではなく
未来の道具を出すための物。
だからきっとティッシュは入ってない。
母の四次元ポケットには
ティッシュが入っています。
老人なので念のため
リハパンを履いています。
リハパンというのは
リハビリパンツの事。
おむつという言い方はしないんですよ。
99歳ですがトイレは自己申告できます。
車椅子にベッドから移動はできません。
自力ではつかまり立ちが精いっぱいなので
介助が必要です。
で、リハパンの中から
4次元ポケットのごとく
ティッシュが出るわ出るわ。
この前なんか6枚も出てきた。
水に溶けないタイプだから
詰まるかもしれないので
壊れちゃうからって諭しましたが
昨日も1枚出てきました。
どのタイミングで入れているのか?
母曰く、間に合わないと困るから。
今まで、間に合わなかったことは無いし
そもそもリハパン履いてるし
そもそもティッシュ1枚じゃ
何の役にも立ちません。
寝ていると思っていたら
モソモソ動いていたので
声をかけずに見ていたら
ティッシュを持った手を
布団の中に入れたのを目撃。
現行犯逮捕です。
そして曰く、鼻をかもうとしていた。
鼻は大抵顔についてる。
盛った話じゃございません
どこまで盛るかって書きましたが
これは小説より奇なりの実話です。
認知度は何%位なのでしょう?
0でないことは確かですが
どちら様って言われたことは無い。
娘が大作家じゃなくてよかったね。
1億2,379万人の日本国民に
知られちゃわなくてよかったね。
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