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生きることって楽しいを見つけることじゃない?

洋画 浮雲(アキ・カウリスマキ監督)敗者三部作1

video.unext.jpより

浮き雲

フィンランドの映画作家、

アキ・カウリスマキ監督の敗者三部作

Amazonprime字幕版で

2023年11月視聴

1時間34分

 

フィンランド語の原題は

(Google翻訳)

遠くに雲が逃げる

英語の題名は漂流雲

 

リモコンTV便利だろう?

ドゥブロヴニク・・・レストランの名前

フィンランド語はどの言語にも属さなくて

凄く難解らしいです。

 

ここでフロアのチーフを務めるイロナと

路面電車の運転手ラウリの夫婦。

 

夫がリモコン操作のTV(SONY)を操作し

便利だろう?

これでいちいち立ち上がらなくてもいい。

34年前の映画です。

 

おまけにカラー。

もちろんローン。

本棚とソファーのローンも・・・。

4年くらいすぐだよ・・・って長っ!

ローンが終わったら本を買おう。

ん?

 

リストラ

夫が働いている路面電車。

マイカーや地下鉄の普及で赤字路線に。

(彼もマイカーに乗ってるけどね)

8人のうち半数がリストラされる。

決め方は・・・・カード(トランプ)

ある意味公平。

私は笑えた

夫婦で映画を見ていたが

途中で出てしまう。

夫が、売店のお姉さんに「金返せ」

「コメディーなのに笑えない」

「どうせ、ただ見でしょう」

 

妻は「面白かったわよ」

「彼女(売店のお姉さん)に当たるなんて」

「俺は気が晴れた」

「自分の妹よ」

※売店のお姉さんは彼の妹。

だから無料で見られたのね。

「妹も運が悪い」

・・・「飲みに行こう」と

その場からはける2人。

 

この淡々としたやり取りは

アメリカ映画ではまず見ない。

そしてなぜかコントに見えちゃう。

 

失業手当を貰わない?

カードで負けた彼はリストラ対象者に。

そのことを妻に告げたのは勤務最後の日。

失業手当を貰わなきゃという妻に

物乞いなんかになりたくないという夫。

もしもし、それは労働者の権利ですよ!

こいつめんどくせーな!

人間の真価は

苦境に立った時の行動でわかる・・・と思う。

 

絵にかいたような弱り目に祟り目

妻が働いていた店は

チェーン店の差し金もあって

ローンの繰り上げ返済に対応できず

失職してしまう。

レストランの失業率は40%。

不景気で誰も外食はしない。

 

面接で言われる。

「それにあなたは年だから」

「私は、38歳です」

「38歳は年だ」

妻は面接官に言う。

「あなたの方が年です」

「それとこれとは関係ない」

 

私、思うんですが

雇うまでは主従関係は無いわけで

それなのに結構失礼なこと言う人いますよね。

 

お弁当の牛乳が

夫はロシア行きの観光バスの運転手に。

遠いけどギャラがいいらしい。

お弁当のサンドイッチと一緒に

飲み物も持つんだけど、

ガラス瓶に入った(たぶん)牛乳に

二枚重ねの厚手のソックスをかぶせる。

割れなくて、頭いい~・・・のかな?

 

絵にかいたような弱り目に祟り目2

意気揚々と出かけた夫がすぐに帰宅

健康診断で片耳の異常が発覚し

就職もおじゃん。

運転免許証も取り消しになった。

 

・・・ってそれ

イロナ(妻)がある店の前を通りかかると

前職でクローク係だった男にばったり。

久しぶりだから飲もうよという誘いを断ると。

持ち金以上に飲んじゃって・・・・。

彼も借金を抱え職を失い苦労している。

 

仕方なく一緒に飲むイロナに

ボトルで頼もうよ。その方が安い・・・って

もう持ち金無いんでしょう?

 

絵にかいたような弱り目に祟り目3

職安はあてにならないので

職業斡旋事務所で

皿洗いの職を紹介されるイロナ。

それも有料。

この斡旋所の男が、まあ高飛車。

「お金取るんですか」

「慈善事業じゃないんだから」

 

で、雇われたには違いないんだけど・・・・。

 

未払いの給料を請求するため

夫は雇い主に談判に行くが

仲間たちにボコられて・・・

 

ここからイロナの巻き返し

夫婦で失業中。

家賃どうする状態。

最新型のSONYのTVも

ソファーも差し押さえられて持ってかれちゃう。

 

昔の店のクローク係が

一緒に店をやろうって持ち掛けてくる。

資金は?

そのために銀行が有るんだよ。

ん~、確かに。

でもね、言われちゃうんだよ。

担保は有るのかって。

そりゃそうだよね。

 

結局借り入れはできなくて

車を売ったお金で夫婦が向かったのは・・・

 

・・・イロナ巻き返しならず。

 

イロナここから巻き返し2

実はイロナ、美容師の資格を持ってて

面接のときにそこで出会ったのが

前の店の支配人(オーナー)

彼女が開店の資金を出してくれる。

※ちょっと出来過ぎてるけどね

 

前の店の飲んだくれのシェフを

アルコール依存更生施設に入れて

シャキッとさせ、

前の店の授業員も呼び戻し

不退転の決意で始めたレストランは盛況。

 

流れゆく雲は僕の心のよう

エンディングでこんな歌詞が流れる。

 

フィンランドの映画

1996年公開の映画。

時代もその辺なのでしょう。

今から30年ちょっと前。

労働階級の暮らしぶりは

こんな感じだったのでしょうね。

 

フィンランド人はシャイらしい。

会話も行動も淡々としていて

何となく学芸会みたいな感じがする。

 

映画自体のアングルなども

決しておしゃれではない。

 

台詞も多くを語らない。

本棚にポツンと飾られた男の子の写真。

たぶん2人の子供だったのでしょうか?

少ない台詞の間を

見る人が完成で埋めていく、そんな映画です。