巨匠と言われる画家の中には
模写をすることで構図や陰影、色彩などを学んだ人もいます。
好きな漫画家の絵をトレースしたり真似したり。
そうやって画力を上げプロになった人もいます。
真似をすることとリスペクトは一線を画しています。
パクリとは別物です。
左が歌川広重の亀戸梅屋舗
右はゴッホがそれを模写したものです。
ヨーロッパの画家たちは浮世絵に衝撃を受け
模写し、多くの影響やインスピレーションを得ました。
真似ることから始まり、自分の中で消化し
絵画に取り入れました。
ゴッホの絵の中には、背景にたくさんの浮世絵を配したものも有ります。
バンクシーはモネの水連(シヴェールニーの日本橋)に
不法投棄や環境破壊への警鐘を重ね合わせた絵を描いています。
この絵を誰もパクリだとは言いません。
モネへのオマージュと受け取っています。
オマージュと言えばビリージョエルのThis Night。
サビの部分がベートーベンピアノソナタ悲愴の第二楽章。
彼はベートーベンをリスペクトしていると公言しています。
そして、その一部を曲に取り入れています。
さすが、Piano man!
ピアノを習っている人は
バイエルから始め、ブルグミューラー、ソナチネ、ソナタ・・・。
古典の教材が無いバンドの人たちは
好きなバンドのコピーから初めて
そこでコード進行や曲の構成を体得し
やがてオリジナルを作れるようになります。
DTM(デスクトップミュージック)に
片足を、いや首を突っ込んでいます。
最初は自己流でしたが
DAW(デジタルオーディオワ-クステーション)
PCで音楽を作るためのソフトの使い方や
学校で習ったのとは違う音の捉え方を
夜な夜な学習しています。
YouTubeで。
その中で面白いと思ったことの一つが
リズムは共有財産と言う言葉。
確かにそうですね。
ドラムのたたき方をパクったとかって
聞いたことが無いです。
パクリ疑惑が湧くのがメロディー(旋律)。
楽器の音って12しか無いんですよ。
キーボードの白鍵黒鍵合わせて12。
オクターブの違いはあっても音は12種類。
弦楽器に関していえば弦の押さえ方によっては
EとFの間の音も出せないことは無いと思いますけど
それって、音程が外れたという捉え方。
その12の音を組み合わせて多少リズムを変えても
似た感じになってしまうことは仕方が無いのかな。
なんかこの曲聞どこかで聞いたってこと無いですか?
あるYouTubeのレクチャーで
少し気になったことが有りました。
カッコイイ、今風の曲を作りたいなら
(作りたいです)
とにかく新しい音楽をたくさん聴く事。
そして、そのリズムやコード進行、フレーズを
研究し分析する。
ここまでは理解できます。
学ぶという意味ですから。
今流行っている曲のリズムをそのまま取り入れて
コード進行もそのままでメロディーを自作する。
う~ん!ちょっと違わない?
DAWソフトはPCで打ち込みができて
マウスで簡単に音の長さを調節し
音を入れ替えることも可能です。
極端に言えば、カッコイイと思う曲を入力し
ところどころ変えることで別の曲を作る感じ。
頭に描いた曲を形にする方法。
鼻歌で歌うのは簡単ですけど、そこ止まり。
全ての楽器を弾ける能力もないし、
楽器を揃えることだってできない。
DAWソフトを使えば、リズムの狂いも修正できるし
キーボードやマウスで打ち込むことで
単独にメロディーを奏でるだけじゃなく
沢山の楽器を加えアレンジまで出来てしまう。
ドローソフト( Drawing software)で絵を描くには
画力も必要ですが
DAWで音楽を作るのはもっと簡単。
音楽的素養よりデジタルデバイスをどれだけ使えこなせるか、
そこです。
創作と言うのは、自分が体験したこと
見たもの聞いたこと
読んだ本・・・・。
それを脳内で撹拌して作り上げる物ではないでしょうか
流行りの美味しい部分だけを
摘み取って並べて行く。
そんな作り方だったら
もはや量産型の工場長じゃない?