- マッチ工場の少女
- クイズ これは何を作っているのでしょうか
- こんな時代 そして部屋の配置
- ダンスホール
- だって女の子だもん
- 何屋さん?
- はい!ナンパされました
- 電話をくれない男の気持ちを察するべし
- 手紙
- ねずみ取りの薬
Amebaブログ、U-Nextより引用
マッチ工場の少女
フィンランドの映画監督、
アキ・カウリスマキ。
労働者三部作のラストはこれ。
マッチ○○の少女というと
マッチ売りの少女を思い浮かべますが
売る方じゃなく作る方です。
Amazonprime字幕版で
2024年1月視聴
1時間8分
彼の映画の面白さは
独特な間、押さえた感情、
微妙な視線などいろいろありますが
マニアックな楽しみ方の一つが
シリーズを通して
同じ役者を使っているところ。
あれ?この人、前の映画に出てた?
配役などを調べていないのですが
(調べろ私!)
たぶん間違いないと思います。
原題 Tulitikkutehtaan tyttö(フィンランド語)
英語タイトル Match factory girl
今回はすっきり全部同じタイトルです。
ちなみにアマゾンのカテゴリーでは
コメディーという分類です。
1990年の映画、今から30年ちょっと前。
そんな時代背景です。
クイズ これは何を作っているのでしょうか
タイトルを知っているから
映画を見ていなくても答えはわかっちゃいますが
最初の工場のシーン、
ただ見せられたら、すぐにはわからないかも。
今どき、マッチという発想も
すぐには思い浮かべないですね。
でもこれ、なかなか面白い。
丸太を薄く剥いてシート状にし・・・
何個かのマッチ箱をまとめて包装し
表示シールを貼るところまで
全てオートメーション。
イリスの仕事はそのシールが浮き上がってたら
上から押さえてくっつける。
かなり退屈系の仕事です。
こんな時代 そして部屋の配置
TVで流れているニュースは
天安門事件
ホメイニ氏の死去
家族の会話は無い。
これが庶民の平均的な家?
どの映画も部屋の様子が不思議。
ちっちゃなテーブルで家族三人
黙々と食事をしますが
その食事の質素さ、
ワンルームじゃないのにここに服掛ける?
なかなか興味深いです。
ダンスホール
ディスコでもない、クラブでもない、
言うならダンスホール。
アキ・カウリスマキ監督の映画には
必ずと言っていいほど登場します。
客層は中年以上。
バンドはおじさんバンド。
アコーディオン、バイオリン、ギター。
ドラムはシンバル1、
スネア1,バスドラム1の
シンプル構成。
歌はちょっと巻き舌。
リズムはタンゴみたいな感じで
ムード歌謡風。
壁際の椅子に若い女性が腰かけていると
男性がつかつかとやってきて
踊りませんか的に会釈をする。
(言葉はない)
いわゆるナンパ待ちシステム。
ナンパまっち(待ち)の少女?
・・・ガールの範疇は?
日本で言えば十代ですよね。
タイトルのニュアンスはちょっと違うようです。
ヨハネパウロ二世が北欧訪問するニュース。
飛行機のタラップはフィンエアー。
※細かいところが気になります。
だって女の子だもん
手渡しの給料袋を握りしめて
ブティック(というより洋品店)で
花柄のシフォンのドレスを買う。
服を入れてくれるのが靴箱みたいな箱。
両親に給料袋を渡すと
明細と額が違う。
父親はどのドレスを見て
イリスをひっぱたいて一言、
「売春婦!」
母親は「返品してきなさい」
毎日工場で働いて
ダンスホールでは壁の花。
ちょっとはおしゃれしたいよね。
何屋さん?
服の箱を持って・・・
普通外で着替えるならデパートのトイレとか?
彼女が行ったお店は何屋さん?
「シャワー」と言ってお金を払って
たぶんそこで着替えたみたい。
いわゆる銭湯的なもの?
余談ですが、ここに向かう途中の彼女、
コートのボタンを掛け違えてる。
慌てて家を飛び出したという表現?
「監督!私は気づきましたよ!」
はい!ナンパされました
お洒落してダンスホールに一人で行って・・・
明かにナンパ待ち状態。
「ねえ彼女!一人?踊らない?」
そんな会話も全くなく
目を見つめて
むんずと腕をつかんで
一緒に踊る。
これがフィンランドのやり方です(?)
彼、そこそこの収入が有るようで
家も広くてきれいです。
きちんとスーツを着て出勤します。
まだ寝ている彼女の枕元に
置いたのは1,000マルッカ。
そういうシチュエーションで
払ったことももらったこともない私に
相場はわかりませんが。
シャワーが8マルッカ、
ドレスが465マルッカ・・・ということは
数万円ってことなのでしょうか。
一応ドレス3万円で見積もってみましたが
8000円かもしれません。
電話をくださいと言うメモを残して帰る。
(工場の電話番号)
レストランの厨房に入っていくと
不思議な髪形の兄ちゃんが
食えよと言って、質素なサンドイッチと
500マルッカを渡す。
「まだあいつ家にいるのか?」
「お前が養ってるのか?」
推測するに、このシェフは
養父を嫌って家を出た、
お兄ちゃんではないでしょうか?
電話をくれない男の気持ちを察するべし
電話がかかってこないもんだから
家を訪ねてしまうイリス。
今日はダメだと断られ
明日の約束をする。
そんな男に教えた場所は自分の家。
彼女が支度をしている間
両親と三人、
ちっちゃいテーブルをはさんでお茶をする。
イリスは彼氏が車で迎えに来てくれた気分。
だけど彼は言います。
思い違いをしないでほしい。
一夜のお遊びだよ。
これっぽちも愛してない。
君も私を忘れてくれ。
残酷なようだけど、こういうことは
はっきり言った方がいいと思う。
お金を置いた時点で
電話が来ない時点で
普通は気づくと思うけど
仕事、つまんねー!
家、つまんねー!
彼氏、いない!
アールネに執着するしかなかったのよね。
手紙
世の中は何と皮肉なのでしょう。
こどもが欲しい人には授からず
立場が微妙な人が妊娠してしまう。
イリスはアールネに手紙を書く。
会いたくないのは知ってます。
赤ちゃんができるの
女の子がいいわ
でも男の子がいいいならそれでも。
女の子ならきれいな服を着せ
男の子ならアイスホッケーを。
お嫌でしょうが赤ちゃんは見捨てないでね。
病院に見舞いに来てくれると嬉しいわ。
あなたがパパだから
誰より先にお知らせしたの。
わたしを愛してくれることは無くても
育てば子供は可愛いわ。
この手紙が重要だと思ったらお返事を。
あなたにもショックだと思うけど
考え直してください。
赤ちゃんへの責任は五分五分だと思うけど
この手紙はやばすぎる。
責任取れと乗り込まれるより
ある意味怖いかもしれない。
他の人の手に渡らないようにと
彼の会社のロビーで手渡す。
数日後、アールネから届いた手紙には
タイプで打った「始末してくれ」の
短い手紙と小切手。
ねずみ取りの薬
養父には家を出て行けと言われ
シェフやってるお兄ちゃんちに行く。
ヘアスタイルも変わってるけど
ジュークボックスとビリヤード台がある部屋も
変わってる。
薬屋で買ったのはねずみ取りの薬。
これ何に使うんだろう。
①ねずみに使う
②アールネに使う
③自分で使う
これしか思いつきません。
コップに入れた水に溶かして
茶色の瓶に移し替えて
バッグに忍ばせて
アールネの家を訪ねる。
彼女の選んだ選択肢は
①~③の中に有りますが
その他に④と⑤も。
アキ・カウリスマキ監督の映画は
これで6本目。
今までは貧しいなりにも
ちっちゃなちっちゃな
幸せを手に入れましたが
今回ばかりは、引くことが多い。