フィンランドガイドより
真夜中の虹
フィンランドの映画監督、
アキ・カウリスマキ。
個性的で独特な彼の作品は
中毒性が有ります。
Amazonprime字幕版で 2024年1月視聴
原題 ARIEL
ヘブライ語で神…から派生し
精霊のような意味もあるようです。
実は最後にでて来る船の名前がARIEL。
１時間12分
閉山
炭鉱が閉山され職を失う。
「ここに居たってしょうがない」
そう言って彼は車のキーを渡す。
「欲しがってただろう」
「俺は俺のやり方で解決する」
そう言って銃の安全装置を外し、
店のトイレに入っていく。
誰もが慌てる状況なのに、
感情、薄！
間髪入れずではなく
しばらくの静寂。
どうするの？って思った頃に銃声が。
間髪入れずではなく
おもむろに見に行く男。
たぶんそこに倒れているであろう男を見下ろし
（グロい場面は映りません）
慌てもせず。
感情、薄！
この二人の関係性がよくわからない。
ここでは伏せておきますが
それを聞いたら絶対思う。
感情、薄！
キャデラックでGO！
アメ車だろうというのは見てすぐわかりますが
調べたらキャデラックでした。
ドアミラーがレトロです。
それにしても雪が積もる中で
コンバーチブルは寒すぎる。
全額を下ろした預金が8000マルカ。
当時のフィンランドの通貨はマルカ。
※現在はユーロです。
・・・っていくら？
たぶん大した金額ではないと思う。
遅ればせながら彼も気づいた。
コンバーチブル寒くね？
だけど幌はびくともしない。
彼は南を目指します。
南ってタンペレかヘルシンキ？
キャデラックは残ったけど
アキ監督の映画で見たのは3回目。
ご多聞に漏れず彼もボコられ
銀行で残した全財産を奪われる。
しばらく気絶していて・・・
起き上がっておもむろに車に戻り
タバコを一服。
悔しがる様子もなく
感情、薄！
車で港に乗りつける。
そして日雇いの仕事を貰う。
その日の日当を貰う時、
やっと名前がわかった。
彼の名前はカスリネン。
貰った日当は256マルカ。
何時間働いたのかわからないから
どのくらいの額なのかも推測不能です。
クネッケは常備？
朝、「何のパンがいい？」
日本ならパンかご飯を聞きますが
パンの種類で選ぶんだね。
だけど「何が有る？」って聞かないで
「クネッケ」と答えるところを見ると
フィンランドのデフォルトはクネッケ？
一応調べてみましたが
フィンランドで最も多く食べられているのは
ライムギパンでした。
キャデラックは最終手段
説明が無いけれど
港の荷役の仕事は
経営者が逮捕され、
キャデラックを売るしかない。
2万マルカって言ったけど
こんな旧式誰も買わないって
6500マルカで手を打つしかない。
その後車は75000マルカで売られてた。
そういう物なの？
いや、足元を見たってことね。
その判決は無いだろう
全財産を持ってったやつを偶然見つけ
取り戻そうとするも、
逮捕されたのはカスリネン。
ナイフを出したのも相手だし
防犯カメラも有ったのに
結局懲役刑になっちゃった。
全てが緩い
刑務所が緩い
だから脱獄が簡単。
彼女も緩い
脱獄してきた男と結婚するかな？
強盗も緩い
偽造パスポートや海外逃亡の
費用を調達するために銀行強盗に。
お金を入れるカバンも用意していない。
パスポート屋も緩い
銀行強盗をあっせんするも
盗んだお金を横取りしようとして
あっけなくやられる。
知らな過ぎて緩い
コンバーチブルの幌って
手で持ち上げるんじゃなく
窓の下のボタンで簡単に締まるのに。
ARIEL
カスリネン、イルメリ、彼女の息子、
3人でメキシコに向かう。
小舟に乗って暗い海を客船（貨物船？）に向かって
進んでいく。
そこで流れるのが
オズの魔法使いの曲 OVER THE RAINBOW
邦題はここからの
インスピレーションなんでしょうね。
一緒に脱獄した仲間が言ってた。
パスポートだって金がかかるし
船に乗れたって座礁するかもしれない。
この後待ち受けている運命は？
計画緩すぎて大丈夫かな。
ところで、彼に車をくれたのは
同じ炭鉱で働いていた彼の父親。
職を失ってた父親が
カフェのトイレで自殺して
だけど慌てるわけでもない。
本当に、感情、薄！
