♛Queens lab.

生きることって楽しいを見つけることじゃない?

洋画 ドント・ウォーリー

映画.comより

ドント・ウォーリー

Amazonprime字幕版で

2024 年3月視聴

1時間54分

原題 Don't Worry, He Won't Get Far on Foot 

 

ウォーリーじゃないよじゃなくて

し~んぱ~いないさ~!です。

 

世界で一番皮肉な風刺漫画家と言われる、

ジョンキャラハンの自伝が原作

(1951~2010)

 

アルコール依存症の会

アメリカ映画やドラマでは

飲酒やギャンブル依存症の人が集まり

自分の事を話したり聞いたり

同じ悩みを持つ人が

一緒に克服しようみたいな主旨の会を

よく目にする。

 

それを主宰しているドニーは言う。

祖父母が富豪で

それを相続した両親も金持ち。

そして僕も金持ち。

幸運だが馬鹿げてる。

 

こういう会はたいてい

地域センターみたいな場所を借り

ボランティアみたいな人が主催しているが

(映画で見る限り)

ドニーはお金持ちで豪邸に住んでいて

会も、彼の家に集まる。

 

重症のアルコール依存症

酒の離脱症状が出るまで1時間。

酒屋に駆け込んでポケット瓶のテキーラを買い

車の陰で飲む。

アメリカでは酒瓶を見せて

屋外で飲んではいけない。

たまにヤバそうな人が

茶色の紙袋に入れたお酒を

飲みながら歩いてたりする。

 

ジョンが車いす生活になったのも

飲酒のせい。

友達と馬鹿みたいに飲んで

バカみたいに騒いで

泥酔した友達が運転する車に乗って

事故にあった。

車は大破したが

運転していたデクスターは

軽症で帰って行った。

ジョンだけが脊椎を損傷し

車いす生活を余儀なくされた。

 

一度は絶望したけれど

電動車いすで移動することができ

リハビリセンターでバスケットをし

カウンセリングで直接勃起の方法を

教えてもらう。

人生でこれも大事なこと。

 

そもそもは誰のせい?

ジョンは2か月で3回も車いすを壊す。

障害者センターに電話をして助けを請うが

人員削減で人出が無いからと

冷たくあしらわれる。

やってくれて当たり前という

横柄な態度にも問題は有る。

 

車いすを酷使しすぎと言われ

「俺は活動的なんだ植物人間じゃない」

 

自分の運命を憐れむとき

禁酒会の主催者ドニーに言われる。

なぜ、そんな生活になったのか。

そもそもは、半端じゃない飲酒運転の

車に乗るほど泥酔した

自分のせいなんだと。

 

集会の目的の1つが

不必要な感情も有るということに気づくこと。

それに気を付けないと悪い習慣に陥ってしまう。

 

依存症は何かから逃げるため

彼の持つ不必要な感情。

自分を捨てた母への恨み。

自分に対して気を使いすぎる養父母。

そんな気持ちから逃れるために

子供のころからの飲酒が続き

今に至っている。

 

10のステップ

心の奥にある何かを克服するために

因縁のある人をリストアップし

会いに行く。

 

スーパーで高校時代の先生にばったり

クラスでトラブルを起こしたことを

ずっと謝りたかったと告げると

先生は「ティーンエージャーが通る道だよ」と。

 

テーラーに行って

10年前に盗んだシャツの代金を支払いたい。

店主は「うちの帳簿が台無しになるから

慈善団体に寄付しなさい」と。

 

養子だった家のママとパパ

実子である弟にちょっかいを出したのに

自分じゃなく弟を怒った。

養父母の気遣いだったけれど

逆にそれが悲しかった。

 

面倒を見てくれる担当者には

迷惑ばかりかけたと謝罪した。

 

運転していたデクスターに

会いに行く。

運転していた自分が軽傷だったことで

罪の意識をいつも抱えていた。

だけどジョンは言う。

俺の人生はお前に会う前から

駄目になっていた。

だから気に病むな。

事故で障害を持った自分より

ずっと苦しんできたデクスターに

謝罪する。

 

みんな優しかった。

 

禁酒会を開いているドニーの

ステップ10番目は自分を許すこと。

あの日酔ったデクスターの

車に乗った自分を許すこと。

 

ドニーはエイズで死んだ。

そして僕も金持ち。

幸運だが馬鹿げてる。

この言葉の意味がなんとなくわかる。

 

世界で一番皮肉な風刺漫画家

事故の後、不自由な手で

描き始めたジョンのギャグマンガは

ポートランド州立大学新聞に

掲載される。

 

ともすれば人種差別など

彼の過激なユーモアゆえ

大学の新聞には多くの苦情が寄せられ、

中には脅迫も。

 

その後アトランタ・ウイークからも

掲載の依頼が舞い込む。

 

車いすで街を行くと

漫画面白かったと声をかけられたり

おばあちゃんに怒られたり

賛否は両論だったけど

歩いて遠くに行くことを失い

別の大きなものを手に入れた。

 

ジョンキャラハン1951~2010(59歳)

 

依存症を克服するために

彼が払った代償は高かった。