♛Queens lab.

生きることって楽しいを見つけることじゃない?

映画 私の中のあなた

 

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画像はワーナー公式より引用 

救世主兄弟(Savior sibling)

物語はジェラルド家の末娘、アナのモノローグで始まる。

 

私が生まれたのは偶然じゃなかった。

人工的に作られた。

ある理由が有って。

・・・・私の姉を救うために。

 

姉のケイトは2歳で白血病を発症するが

両親も兄もHLAと言う複雑な遺伝子は

適合しない。

その確率は1/200。

 

医者がオフレコで両親に提案したのは

その遺伝子を持つ子供を

試験管の中で作ること。

 

医療ドラマのエピソードで

見たことがあります。

現実でもシカゴの研究所で

その実験は成功しています。

 

子供への愛は均等ですが

 

ある日、妹アナは750ドルを握りしめ

弁護士のもとを訪れる。

そして、両親を訴えたいという。

 

腎不全を起こした姉のケイトへの

腎臓提供を拒否するため。

 

妹アナは11年の人生の中で

入院8回

カテーテル挿入6回

骨髄穿刺2回

幹細胞採取2回

全て姉の命を守るため。

そのたびに、肉体的にもつらい思いをしている。

 

姉ケイトは言う。

病気で死ぬのは構わない。

ただ、病気が家族までボロボロにしている。

 

子供が二人いれば愛情は50%づつ?

いいえ、愛情はそれぞれに100%。

ただ、それぞれのこどもに

どれだけ手をかけるか、

どれだけ時間を割くかは

必ずしも均等ではない。

 

母親のサラは妹に言われる。

「姉さんは命を引き延ばすこと以外何も目に入っていない。

いつかはそれを辞めなければいけない時が来る」と。

 

sister's keeper

原題はMy sister's keeper

これをグーグル翻訳にかけると

邦題と同じ「私の中のあなた」と訳されます。

 

直訳すると、私は姉の番人となります。

 

旧約聖書の中で人類最初の殺人と言われる

カインとアベル。

アベルはどこにいるのかと尋ねられたカインが

Am I my brother's keeper?

私は弟の番人でしょうか?と聞き返したことに

由来しています。

 

妹アナのモノローグで映画は終わります。

 

その昔私は姉を助けるために生まれてきた。

それはかなわなかったけれと、さほど重要ではない。

私には素晴らし姉がいた。

いつかきっとまた会えるその時まで

私とケイトの心はつながっている。

 

原作と映画は真逆の世界

映画は小説をベースにしています。

原作と性別や人種が違ったり

時代背景や職業を変えたり

バッドエンドをハッピーエンドにしたり、

よくあることです。

  

原作では

妹のアナが交通事故で無くなり

彼女の腎臓は姉のケイトに提供され

私(姉ケイト)の中で妹アナは生き続けています。 

こんな真逆で良いのかなって思います。

 

 

社会に一石を投じる

難病にかかった悲しいストーリー?

観客を泣かせる目的のドラマとは

一線を画します。

 

ドナーベイビーとして生まれてくる子供たち。

彼らに、それを拒否する自由はないのか?

親に、それを強制する権利はあるのか?

誰かのために臓器を提供しないことは

いけないことなのか?

 

末期医療の在り方。

どれだけ長く生きたかではなく

どんなふうに生きたかという価値。