海外 ひとり旅の野望!

心細いのは最初だけ!ひとり旅の楽しさがもう止まらない!

フィンガーボール その思いやり

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むかし、こんな話を読んだことがあります。

ある身分の高い人のお屋敷で

パーティーがありました。

 

次の料理と一緒に

フィンガーボールが、それぞれの前に置かれました。

ひとりだけ、その場にふさわしくない身なりの男が

列席していました。

 

ナイフとフォークがたくさん並ぶような席に

招かれたことのないその男は

気後れし、緊張もあって

目の前のフィンガーボールの水を

飲み干してしまいました。

 

フィンガーボールが出るような店に

行くことなんかそうそうありません。

一度中華で海老料理の時に出たことがあったような気がします。

そんな店に行ったことはなくても、

情報過多な現代人ならそのくらいは知っていると思います。

 

このお話は、中世とかそんな感じだったと思います。

身分の高い人じゃなきゃ、フィンガーボールなんて知らない時代。

 

その水を飲み干した男を見て、他の客たちは、

クスクス笑いました。

そんな様子を見た屋敷の主人は、

自らもフィンガーボールの水を飲み干しました。

 

当主は、自分が招いた身分の低い男に

恥をかかせないようにと

あえて同じことをしました。

さっきまで笑っていた周りのお客たちも

慌てて真似をして

その水を飲み干しました。

 

この話、どう思いますか?

当主の行動について。

 

何の理由でその場にふさわしくない客人が

テーブルを囲んでいたのかは、

忘れてしまいましたが

宴の席に招待したのは

それなりの理由があってのこと。

当主にとっては大事なお客様だったのでしょう。

 

その大切なお客様に

気不味い思いをさせないように、

それは彼の思いやりです。

 

例えばこれが現代社会であって

再度そんな機会に遭遇するかもしれない場合は

マナーを知らなかった彼に

こっそり教えてあげるのも

必用なことかもしれません。

 

この寓話の男にとっては

これが最初で最後の華やいだ席。

マナーを知らないまま

自分が失敗したことに気づかないままで

終わった方が幸せです。

 

恥ずかしい思いをしたことを

ずっと悔んでいるより

何だかみんながくすくす笑って

楽しそうだった・・・なんて風に

楽しい思い出になります。

 

これは小学生の時に

何かで読んだ話です。

未だにずっと覚えています。

そして感じたことが有ります。

 

その一つ。

思いやりって、

その人の事を思って

あえて苦言を呈する場合も有ります。

ただ、もし知らずにいる方が

本人にとって心地よいことなら

損失の無いことなら

伝える必要はないと思います。

 

もう一つ

いたたまれない人を作らないこと。

この当主は行動することで

男が恥をかかないようにしました。

彼が肩身の狭い思いをしないように

気遣ったわけです。

 

思いやりって、

何かをしてあげる事のように思いがちですが

あえて行動しないという気遣いも有ります。

 

自分が積極的に何かをすることで

それをしない人がいたたまれなくなる。

もちろん時と場合、事の次第にもよります。

 

なぜ自分が思うままに行動しちゃいけないの。

そんなに気を使う必要ってある?

そんな風に思う人も多いと思います。

 

もちろん私だって気遣い100%の人間ではないし

知らないところで誰かに

気不味い思いをさせているかもしれません。

不快な思いをさせているかもしれません。

 

行動することで気遣う。

行動しないことで気遣う。

 

どちらも大切なのは相手に悟られないこと。

気遣いに感謝されることも有りますが

気を遣わせたことを

気にしてしまうかもしれない。

ふと、そんなことを考えた時、

フィンガーボールの寓話を思い出しました。