孤独のススメ
Amazonprimevideo字幕版で
2025年9月視聴
1時間27分
オランダ映画
原題 matterhorn
スイスとイタリアの国境にある山の名前
なぜこのタイトルなのかは
追々わかります。
その男 几帳面のサンプル
その男、フレッドはとにかく几帳面。
そのレベルを分類すると
めんどくさい奴のカテゴリーに入る。
そしてそれを細分化すると
自分の価値観を押し付けるタイプの人間である。
説明は無いけれど
壁には妻と息子の写真。
物置小屋には息子が使っていただろう、
子供のおもちゃやサッカーボールがある。
ある男 謎多き人間
ある男、テオ・ハウスマン。
彼は一言も言葉を発しない。
山羊を見た後、スーパーで四つん這いになって
メェーとなく。
亡き妻トゥルーディの写真を見せて
フレッドが妻の話をすると
テオはクロゼットから妻の服を出して
それを着て踊る。
フレッドは、ひょんないきさつから
テオを家に泊め
身なりを整えて教会に連れて行き
食事を与え、マナーを教える。
テオという名前が分かったのは
もっと後のこと。
テオは食事も作るようになる。
スーパーで山羊の真似を見初められ
5歳の娘の誕生日にぜひと乞われ
アーティストとして訪問する。
フレッドは童謡を歌い、
テオは山羊やお猿の物まねをして
ギャラをもらって帰る。
やがて、別の人からも
パーティーの余興として
オファーの電話が来る。
敬虔なクリスチャンのフレッドは
教会へ通う日であり安息日なので、
日曜の仕事は断ったが。
教会の関係者から、
テオをいつまで家に置くのかと迫られ
その態度に嫌気がさして
みんなが教会へ向かう日曜に
逆方向のバス停に向かって歩き出す。
のどかな田舎町、
見知らぬ男とミサに行かないフレッドを
みんなは好機の目で見る。
ソドムとゴモラ
二人で連れ立って出かけたある日
家に帰ると壁面には
ソドムとゴモラという落書きが。
神の怒りにより滅亡した
旧約聖書に登場する都市の名前で
悪徳や堕落の象徴として使われる言葉。
どうもいかがわしい関係だと
憶測されているようです。
会話が少ないのですが・・・
全てをセリフにして説明はしないけれど
見ていくうちにいろいろな部分が
わかっていく。
名前を聞き逃したか
言っていないのかもしれませんが
教会の関係者なのか
フレッドの家を訪れ
テオの事をとやかく言う眼鏡の男性。
実は彼は・・・
フレッドが似つかわしくないクラブに行った訳は?
妻は交通事故で無くなっていますが
写真の息子は?
胸熱のストーリー
タイトルのマッターホルンは
フレッドが亡き妻トゥルーディーに
プロポーズした場所。
彼はそこへテオを連れて行きたいと
思っていました。
そしてその場所へテオと訪れる。
孤独のススメというタイトルは
あえて逆の意味を込めて
つけられているのかもしれません。
テオの不可解な言動や行動は
コメディーのようにも思えるけれど
フレッドが再度クラブに行った時、
その時の歌this is my lifeに乗せて
最後にマッターホルンに立った時、
それは感動に変わる筈です。
その男、フレッドはとにかく几帳面。
そのレベルを分類すると
めんどくさい奴のカテゴリーに入る。
自分の価値観を
押し付けるタイプの人間だった彼を
変えたのは
言葉を持たないテオだったのかもしれない。
アキ・カウリスマキ監督のテイストに
ちょっと似ているような気がします。