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生きることって楽しいを見つけることじゃない?

海外ドラマ シックスフィートアンダー【Six Feet Under】

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 史上最高のエンディングはティッシュが必要

ある家族を中心に描いたドラマです。

ホームドラマというと、典型的なのがサザエさんかな?

悪い人が出てこない。

悲しい出来事が起きない。

ちょっと失敗をしたり、勘違いをしたり。

だけど最後は笑って終わる。

 

2001~2005年まで放映されたドラマで

エミー賞やゴールデングローブ賞を受賞しています。

私が見る基準には関係ないけどね。

だけど、その意味が最後にわかるドラマです。

 

シーズン1~5。全63話。長いです。

いろいろな出来事が目まぐるしく起きるので

飽きることはないと思います。

人によっては、こんな感じの繰り返しかって思い、

途中でやめるかもしれませんが

それは大きな間違いです。

史上最高のエンディングといわれる最終回は

号泣です。

涙が止まらない。

回し者でも何でもありませんが

ぜひぜひ最終回まで見てください。

 

どんなお話かというと

家族が営むのは葬儀会館。

北米では土葬の棺桶を6フィート(182cm)の深さに埋める。

そんな慣習がタイトルになっています。

 

毎回誰かが亡くなり

そのお葬式にまつわる話がちょこっとあります。

家族で葬儀の方法を巡ってもめたりします。

アメリカの場合は、土葬、火葬があり

火葬の場合は日本とは異なり

遺骨ではなく全てを灰にします。

 

生前契約で決めた本人の意思と

家族の希望が食い違ったり

その折り合いをつけさせるのも、

葬儀会館を営む家族の仕事です。

 

 

年齢制限は16+ですけど、

高校生のお子さんと一緒に見るのはちょっと気まずい。

大学生でもちょっと気まずい。

家族のあり方や、それぞれの思いなど

考えさせられる部分も多いのですが

アレなシーンも多々出てきますので

一家団欒で見るのはちょっとね。

 

葬儀会館といっても日本のそれとはちょっと違います。

建物の二階から上は家族の住まい。

一階は葬儀を行うホール。

地下には防腐処理や遺体修復のモルグがあります。

 

ブラックコメディーでもあり

ある意味全員が病んでいて

これがアメリカのスタンダードなのかと

ちょっと勘違いしてしまいます。

 

最初のシーン。

フィッシャー家の父親ナサニエルが交通事故で死亡したために、

家業を嫌がってシアトルに行っていた長男が戻ってきます。

交通事故の原因は完全な脇見運転です。

運転しながらダッシュボードを開けたり

シガーソケットをいじったり

CDの操作をしたりなんて普通するかな?

赤信号でやるべきでしょう!

 

ドラマでは多々運転のシーンが出てきますが

ドライバイーが助手席の方を見て

長々と喋ります。

教習所で習いませんでした?

ほんの一秒二秒でもかなりの距離を進みます。

私なら瞬間的に「前を見て!」って叫びますけど。

 

亡くなった父親や、ほかにも亡くなった人の亡霊が出て

色々話しかけてくるところはコメディーっぽいです。

 

そして父の遺言は家業を継いだ次男のデビットではなく

長男のネイトを後継者に指名します。

憤りを感じたデビットが亡霊の父親に理由を聞くと

ゲイなので跡継ぎを望めないからと。

 

行きがかり上、長男も

フェデリコ(腕のいい遺体修復師)とともに

葬儀会館を手伝うことになります。

 

アメリカドラマでは、複数の子供がいると

必ずと言っていいほど一人はゲイという設定が多いです。

これもアメリカのスタンダードなんでしょうか。

それとも、ゲイを一つのアイデンティティーとして捉え

様々な人種を配役するのと同じように考えての事なのでしょうか。

 

サスペンスもちょっと織り込まれていて

事件も起きたりします。

アメリカ人気質なのかドラマだからなのか

思った事全てを言葉にしたら人間関係は崩壊する。 

このドラマでは、みんなが割とイライラしていて

いつも揉めています。

どうしてこんなにも揉めるのかを考えてみました。

 

それは、思ったことをそのまま全部言葉にするからです。

思っても言わないだろう。

言うにしても、もっと言い方があるだろう。

アメリカ人がそうなのか

ドラマだから心情を想像させるのではなく

セリフですべて説明してしまうやり方なのでしょうか。

 

言葉にしてちゃんと伝えた方がいいのか

飲み込んでしまった方がいいのか

それは誰にもわかりません。

どんな結果になるかは実行してみないとわからない。

言葉は、時には人生を左右する賭けの道具になるのかもしれません。

 

ここだけは見逃さないで

ほとんどの冒頭が、誰かが亡くなり

19XX年~2003年・・・・の様な画面が出ます。

享年は放映された年なのですが

1件だけ1980年代の回があります。

その意味は後々わかりますのでよく見ておいてください。

 

青春映画・ドラマのエンディングでは

何年か後のそれぞれの姿を描いて終わるものがあります。

○○はニューヨークで弁護士として活躍。

△△はギャングになり服役中。

これで終わりかって席を立っちゃうと見逃しがちなヤツ。

この手法、割と好みです。

見ているうちに感情移入してしまうので

その後がとても気になる私としてはありがたい。

 

史上最高のエンディングでは

その後の姿が描き出されています。

ライティングや全体の色味で

”今”ではないことを表現しています。

 

末娘のクレアがNYに旅立つ時、

家族の集合写真を撮ります。

その時、長男のネイトが彼女にささやきます。

「写真なんか撮ったって、もうこれは過去なんだよ」と。

その言葉が、刺さります。

 

この記事の殆どはシーズン5の後半途中で書きました。

でも、エンディングを見て気持ちが変わり

そして書き直しました。

書いている今も泣きそうです。