♛Queens lab.

生きることって楽しいを見つけることじゃない?

洋画 DOGMAN ドッグマン

ドッグマン

2024年7月

AmazonPrime吹き替えで視聴

1時間54分

フランスの映画です。

 

不幸な者のいるところ

あまねくー

神は犬を遣わされる

  ラマルティーヌ(仏の詩人)

【あまねく】もれなく

      すべてに

 

オープニンングはなんだか鳥肌

暗い夜道を走っていく車。

なんとも気味の悪い音響。

そして、このポスター。

怖い気配しかしない。

 

検問で止められたトラック。

その荷台には沢山の犬たちが。

運転しているのは・・・・

 

ダグラス

トラックの荷台に犬がいたからと言って

逮捕される理由にはならないが

車検証などを持っていなかったので

とりあえず拘留される。

 

彼の名前はダグラス。

女装しているのは自分がわからないから

そして別人になるための手段。

悲惨な生い立ち

闘犬用の犬を育てている父。

彼にとっての犬は

愛情を注ぐ相手ではなく

商売の道具に過ぎなかった。

 

闘志を植え付けるため

餌をやらず暴力的に飼っていた。

そんな家庭で育ったダグラスの少年時代は

想像を絶する。

 

そこから救い出してくれたのも

彼が愛する犬たち。

 

養護施設で育った彼は

通信制の大学で学び

唯一信頼している犬の仕事をしていた。

 

ドッグシェルター

彼が運営しているドッグシェルターは

役所から立ち退き命令が出る。

経費節減のため。

 

寄付と犬の譲渡で経費を賄っていたが

役所はその土地を売却するため

立ち退きを迫った。

 

彼は廃校となった高校の建物で

犬たちと暮らしていた。

 

週に1度ドラァグクイーンとして

舞台にも立つが

それだけでは生計を立てていけない。

 

ダグラス曰く、富の分配。

 

精神科医 エヴリン

女装したダグラスを

どっち側の房に入れるかで

精神科医として面談する。

 

9か月の娘と母の3人で暮らす彼女も

ダグラスと似たような環境下で育ち

今も別れた夫とのことで

悩みを抱えている。

 

「お子さんは?」の問いに

「たくさんいる」

「犬は私のベイビーたち」

 

ダグラスは彼女に生い立ちや

初恋や人生のすべてを語る。

 

エヴリンが最後に彼に聞く。

なぜ、話してくれたのかを。

 

「同じ物を持っているから 痛み」

真剣に話を聞いてくれる彼女に

ダグラスは自分が抱えているものと

同じ匂いを感じていた。

 

役者犬 大集合

ダグラス曰く、

犬は人間が持ち合わせている美徳は

全て兼ね備えている。

唯一の欠点は人への忠誠心。

 

沢山の賢いワンちゃんたちが

登場します。

そんなことまでやらせちゃだめよな

シーンも有りますが

これだけのワンちゃんたちの演技指導も

大変だったでしょうね。

 

切なくも壮絶な人生

ダグラスが

拘置所から出て行く時に流れるのが

エディット・ピアフの

Non, je ne regrette rien

邦題『水に流して』 

 

♫後悔なんて何もない

いいことも悪いことも

全て償った、清算した、忘れた

過去なんて何もない♬

       

この曲は晩年のエディット・ピアフが、

立っているのがやっとの

衰弱した状態で出演した、

復帰コンサート で歌われた曲です。

歌詞と言うより、

その状況をダグラスに重ねた、

選曲かもしれません。

 

ダグラスは立てないわけではないけれど

ほんの数歩、歩くことはできるけれど

危険で取り出せなかった、

脊椎を損傷させた弾のせいで

それをすると髄液がもれ、死に至る。

 

彼は神(教会)に向かって歩いて行った。

 

ラスト、エヴリンが窓から見下ろすと

1匹のドーベルマンが

じっと座って彼女を見つめている。

 

不幸な者のいるところ

あまねくー

神は犬を遣わされる

  ラマルティーヌ(仏の詩人)

【あまねく】もれなく

      すべてに